ファイナリスト審査結果

総応募数40エントリーより、7チームがファイナリストに選出されました。
ファイナストは2021年3月12日の未来農業DAYsの最終プレゼンテーションにて審査されました。
今回は新型コロナウイルスの影響拡大により、プレゼンテーションはオンラインで行いました。
ファイナリストの審査結果を以下に発表いたします。

グランプリ

持続可能なサクランボ栽培システム

サクランボの樹は高さ4m以上になることが多く、高所での作業がとても多いです。サクランボは台風が来る前の6月・7月に収穫期が来ることから、果樹の中では最初に収入源となる貴重な果樹です。しかし、開花期の霜害や結実後の低温に弱く、本校がある青森県南部町では、今年町全体で例年の3割程度の収量しかありませんでした。高齢化が進む南部町では高所での作業減少と霜害・低温対策、作業時間の短縮が今後必要不可欠です。この3つの問題をIoT技術を屈指して解決するアイデアです。
さらに、新規就農者に師匠制度を導入し、町全体で新規就農者を一人前の利益を生み出す農家に育てていきます。

準グランプリ

地球温暖化防止と芸術の融合 GreenArtCycle

植物の能力を引出し、都市のヒートアイランド緩和、大気中の二酸化炭素を吸収貯蔵します。
①パッションフルーツの移動式緑化により短時間で広い木陰が出来るシェード型緑化を形成
②パッションフルーツの移動式緑化にIoT緑化冷却システム取付け、枝葉にIoTセンサーによる自動制御でミスト噴射、気化熱が起き冷気が作られクールスポットとなる
③上記を該当エリアに点在させ、冷気の気流で都市のヒートアイランドを緩和
④パッションフルーツの枝葉で和紙を製造し絵画を作成。バイオプラスティック製造も可能。
⑤影響力あるセレブ層など芸術品のコレクターに共感を頂きその影響力が地球温暖化防止へ。

発泡ガラスで海藻・水草を養殖して肥料回収、徐放性肥料としてリサイクル。

近廃ガラス瓶等を粉砕した微粉末から安全で安価な発泡ガラスができる。発泡ガラスは比重や吸水性を変えることができ、軽いものは水に浮く。これを浮遊担体として海藻・水草を養殖することによって湖沼や海洋に流出した肥料を回収する。養殖する海藻・水草はエタノール・生分解性プラスチックの原料となるグルコースを高濃度に生産可能な種とする。海藻・水草からエタノール等を製造した後の排水には高濃度の肥料成分が含まれており、これを高吸水性の発泡ガラスに含浸しリサイクルする。

審査員長特別賞

建築という異分野からの新鮮なアプローチが評価されました。

Unit K

大成建設株式会社

共創する農場&工場

共創することにより生まれる新しい建築・建設モデルの提案。SDGsへの取り組みが企業のCSR としてますます重要となる時代背景において、「農業工場」と「製造工場」を共創させる建築と運用モデルを生み出すことで、農業生産を安定させると同時に省エネ・CO2削減を実現する。工場でのインフラ・自動化技術を農場に「兼業」させることは、従来農場工場に必要である過大な設備投資の削減につながる。さらに植物による”開かれた場”をつくり、工場で働く従業員のウェルネスにも貢献する。

奨励賞

「奨励賞」は優れたアイデア・試みをもう一歩進めていただくことを期待して贈られる賞です。

竹林de農活プロジェクト

長崎県立諫早農業高等学校バイオ園芸科

放置⽵林の⽵から抽出した物質「⽵パワー(仮)」で農業の活性と地域の環境を守る

近年、⽇本全国で拡⼤している放置⽵林。管理者の⾼齢化等の理由により拡⼤した放置⽵林が各地で⼤きな問題となっている。また、⽵の繊維はリグニンを多く含み分解しにくく処分も⼿間がかかる。しかし⽵には古くから抗菌作⽤など優れた性質も多い。その⽵から抽出した物質「⽵パワー(仮)」は他の植物の成⻑を抑制させる性質がある。この性質を雑草防除などに活⽤し、畑から雑草を無くし、地域から放置⽵林をなくす事を⽬的とした取り組みです。

地域をつくるアグリパーク! そうだ、学校へ行こう!~持続可能な農村地域を目指して~

台風や豪雨、地震などの自然災害、感染症に対応していくためには農村地域が元気であることが重要である。しかしながら、日本は少子化の時代を迎えており、地域の子供の数が減少している。このままでは、地域のコミュニティ形成が成立せずに農村が衰退していくと考える。そこで、廃校を活用した、農村交流施設を運営して、地域住民のつながりを強固なものにし、農業の知識や技術だけではなく、農村文化の継承もできるようにして、農村地域の維持・活性化を目指す。

広島県立世羅高等学校

広島県立世羅高等学校

新規就農者の農産物を活⽤した備蓄⾷品開発と給⾷での活⽤による防災意識の向上

災害対策として備蓄⾷料の確保は必要である。⾼校のある世羅町の場合、町⺠約1.6 万⼈。約3割の⼈へ1⽇分の⾷料を備蓄しておくとすると、約1.6万⾷を備蓄しなければならない。しかし災害が起こらなければ使⽤することが無く、賞味期限内で消費するしかない。そこで、レトルトカレーを開発した経験を活かし、新規就農者の農産物を活⽤した、備蓄⾷品の開発と給⾷センターと連携することで、賞味期限内で給⾷として活⽤することで、無駄なく使⽤しつつ、⼦供の防災意識の向上と新規就農者が⾃⽴できる農業⽀援と災害対策を⾏う。

未来創造賞

「未来創造賞」は優れたアイデア・試みをもう一歩進めていただくことを期待して贈られる賞です。ファイナリストの中にも本賞を贈られる場合がございます。

部活動畑

東京・区⽴中学校で畑を耕やす都市型農業部活動

都市部の子どもたちは土に触れる機会が少なく、食と農の密接な関係を身近に感じることが難しい。本案は、都市部の中学校で農業を部活動化することで、楽しく農と食について自然と学ぶ機会を提供するというアイデア。都市近郊農家を先生とし、産学連携による生徒たちへの農育をおこなう。それにより、農業の重要性や生産品がどんな苦労のもと食卓へ並ぶかを知る子どもたちが増える。

⻄阿波調査隊

徳島県⽴脇町⾼校

伝統農法x IoTによるハイブリット農法の開発とプラットフォーム化による新規就労者⽀援

世界農業遺産に認定されている徳島県⻄部の「傾斜地農耕システム」を科学的に分析し、その有⽤性を証明する。また、伝統農法の強みである持続可能な環境保全システムをいかしつつ、ここで得たデータに基づいたデジタル技術を活⽤したスマート農法を確⽴させる。さらに、プラットフォーム化することで新しいコミュニティを創造し、農法や農業ビッグデータを提供することで農業⼈⼝拡⼤や、効率的かつ安定的な農業経営の確⽴を⽀援する。