ファイナリスト審査結果

総応募数48エントリーより、7チームがファイナリストに選出されました。
ファイナストは2022年3月7日の未来農業DAYsの最終プレゼンテーションにて審査されました。
今回は新型コロナウイルスの影響拡大により、プレゼンテーションはオンラインで行いました。
ファイナリストの審査結果を以下に発表いたします。

グランプリ

フェザー苗木の育成によるリンゴの高密植栽培の普及を目指して

青森県におけるリンゴの生産量は全国1位であるが、様々な理由でその生産量は減少傾向にある。
理由の1つに農業従事者の高齢化・担い手不足がある。
背景として、高所作業の危険性や生産効率の低下、収入の安定に数年要するなどが挙げられる。
その解決策の一つが、高密植栽培の「フェザー苗木」の導入だが、生産量が限られるために普及しない現状がある。
本案では農業高校でフェザー苗木の生産と普及を進める取り組みを提案する。

準グランプリ

梅酢を用いて生産する高糖度トマト「梅ぇトマト」のブランド化

廃棄物として処理されてきた梅酢を用いて、塩類ストレスをかけ高糖度トマト栽培に 挑戦してきた。
未利用資源である梅酢で高糖度トマトを生産し、ブランド化ができれば、 関連産業にとっても有益に働き、新たな雇用の創出が可能となる。
環境負荷、労働生 産性の向上と継続的に高糖度トマトを生産するために、単為結果性品種の導入により ホルモン剤処理、セイヨウオオマルハナバチの利用を止め、循環型高設ベンチを用い 安定的で高品質なトマト生産への試みを検討している。

奨励賞

「奨励賞」は優れたアイデア・試みをもう一歩進めていただくことを期待して贈られる賞です。

LIVE STOCK NEW REVOLUTION ~畜産後継者の新革命~

私達は、家業で牛を飼育している畜産業の後継者です。動物科学科で産業動物の研究を行っている研究班では、エコフィードと飼料添加剤について研究を行っています。
鶏には卵の機能性成分向上を目的に、フードロスの観点から廃棄ニンジンをエコフィードとして活用、黒毛和牛には脂肪中のオレイン酸割合を高めるために高オレイン酸ヒマワリ種子を餌として給与する研究を行っています。
十和田市内の耕作放棄地でヒマワリ栽培を行うことで、景観改善と飼料生産の両立を目指すアイデアになっています。

審査員長特別賞

Roktrack

Roktrack

荒れ地対応自律型ロボット草刈り機「Roktrack Mower」

日本各地の中山間地で雑草の生い茂る荒れ地が増えている。
危険かつ重労働、高頻度で除草を続ける必要があるため、今後も荒れ地は増えていくことが予想され、景観は悪くなり土地の利用用途は制限されていく。
本アイディアでは電源のない土地であってもスイッチを入れるだけで範囲内を自律的に草を刈るロボットと人工衛星画像解析により、草の刈り時をお知らせするサービスを提案する。
これにより誰でも簡単・安全・持続的に土地管理をすることができるようになる。

未来シーズ賞 - 期待賞

伝統野菜「食用菊」で繋ぐ地域循環共生社会と伝統食文化の継承

青森県南部地方の伝統野菜、「食用菊」。
昨今、農家の担い手不足・菊の需要減少により、年々生産者も減少、伝統文化が途絶えつつある。
そこで、食用菊の文化を再生すべく新たな価値を創出。魅力ある商品開発や、耕作放棄地を利活用し街中菊畑化、観光資源にも寄与。
また、ユニバーサル農業を実践することでだれもが平等に働ける場を創出。
食用菊を中心に、農業課題に取り組み、地域をつなぎ、「菊どころ、はちのへ」の文化を取り戻し、次世代に継承していく。

みわかれふぁーむ~水分れ最初の一滴から畑を作ろう~

丹波市立氷上回廊水分れフィールドミュージアム

水の博物館が有機農業の体験教室を実施。未来の農業者育成に挑戦!

本企画は、降った雨が北か南のどちらに流れていくのかを決定する「分水界」のある兵庫県丹波市で行いました。
丹波市の分水界は本州一低いことで有名であり、その場所は「水分れ(みわかれ)」と呼ばれています。
その水分れの耕作放棄地(約10a) を借り、「みわかれふぁーむ」として開墾し、「農の学校」 と連携し、未来の農業後継者育成として、地域の子ども達に農業体験教室を開催しました。
農業体験教室は有機農法を学び、種まきから収穫まで、全6回実施しました。

島を救え 農業で食品ロス0プラン

長崎県立諫早農業高等学校

水の博物館が有機農業の体験教室を実施。未来の農業者育成に挑戦!

長崎県対馬は、自然豊かな島ですが、食品など多くの物資を島外からの輸送に依存しています。
その一方、各家庭から排出される食品残渣など生ゴミの処理費用に約3800万円の費用を要しているのが現状です。
そこで対馬市環境政策課と連携し、この食品残渣を農業の力で資源として活用し、「燃やす」から「活かす」に変え食品残渣の堆肥化や家畜飼料25%削減が可能となりました。
この活動は「カーボンニュートラル」から発想を得た「フードロスニュートラル」を目指したものです。